ミニトマトやイタリアントマトの生産を開始するにあたり専用の井戸を新設し、地下約20mからミネラル豊富な大井川水系の伏流水を毎日汲み上げて潅水しています。
生産するミニトマトやイタリアントマトに地域の自然環境や特性をより反映させる目的から、ハウスを建てた田んぼの土をそのまま活かした昔ながらの土耕栽培に取り組んでいます。
ハウスには複合環境制御装置やCO2施用装置を導入するなど、ミニトマトやイタリアントマトの生育により良い環境をつくるための工夫をしています。
有機素材由来の肥料を与えつつ土壌環境を改善し活性化する有用微生物を定期的に用いるなど、ミニトマトやイタリアントマトが本来持っている生命力を最大限に引き出し、病害そのものが発生しにくくなるような育て方を心掛けています。
農薬の使用は必要最小限度に抑える減農薬栽培です。また、農薬を使わなければならない場合は人と環境に対してはもちろん、受粉を行うマルハナバチにも優しい成分のものを特に選んで散布しています。
ミニトマトとイタリアントマトで農業を始めた理由
農業に取り組むことを決めたときから県の就農支援事業に参加するなどして、県内各地の様々な農業経営体を見て回りながら、どのような筋道をたどって農業という分野に入っていくのがベストなのか、どのような段取りが必要なのか等、入手し得る全ての情報を収集しました。
お茶を皮切りにレタス、ネギ、蜜柑、アスパラガス、イチゴそしてミニトマト…様々な農業のあり方を知り、その上で自らの就農計画を策定するに際し、計画の根本となる農地が非常に限られていた自分は露地園芸よりも施設園芸が現実的であること、見込まれる需要や収益性、将来性等、商材としての可能性からイチゴかミニトマトのいずれかが妥当なのではないかという結論に至りました。
このふたつの品目に絞り込んだあと、ミニトマトに決定するまではそれほど時間はかかりませんでした。何が決め手だったのか。
正直なところを率直に言えば、まずひとつめは『休暇のとり易さ』です。
生き物を相手とする仕事である農業は、基本的に休みらしい休みを取りづらい業種で、一年中働きづめという農家さんも決して少なくはないのが現状です。
では、ミニトマトやイタリアントマトが例外か、と言えば決してそういうわけではなく、しいて言えば『イチゴほどデリケートな管理を要求されない』という程度ではあるのですが、それが地味に日々の仕事を組み立てていく上で助けになると感じたのです。
農業は長丁場のお仕事です。
自分も含め、その仕事に携わる人たちのワークライフバランスを保つことでモチベーションを維持しながら、安心とやりがいを持って取り組める職場を作るために、ミニトマトやイタリアントマトという選択肢は自分にとってベターなものでした。
ふたつめは『作り込むことでブランディング可能である』ことです。
大量流通、大量消費というビジネスモデルの範疇で戦うよりも、作り手としてのこだわりや独自性を前面にだして提案していくほうが楽しいと思ったのです。
単なる『食料』『青果物』ではなく、魅力のある『食材』として通用する…そんなふうに、自信を持っておすすめできるミニトマト、イタリアントマトを作り続け、お届けし続けたいと思います。